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働くものの命と健康の問題を考えます。北九州労働者の健康問題連絡会議

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報告REPORT

じん肺アスベストキャラバン北九州集会報告

 北九州労健連は、9月27日(水)18時30分より戸畑生涯学習センターにて、「なくせじん肺・アスベスト全国キャラバン北九州集会」を開催し、47人が参加しました。
 28回目となる全国キャラバン行動の一環として開催された北九州集会では、主催者を代表して田村代表幹事の開会あいさつから始まり、大阪アスベスト対策センター幹事の伊藤泰司氏より、「住民運動と建築労働者が結びつくたたかいこそ、これからのアスベスト対策を考える」と題した記念講演が行われました。

 伊藤氏は、大阪府立金岡高校の耐震補強工事での青石綿露呈・飛散事件、堺市の市有建物の煙突ハツリ茶石綿飛散事件の第三者委員会の委員を務めた経験から、建築物におけるアスベスト対策がまだまだ進んでいない日本の現状と、事件からの教訓についてスライドを使って分かりやすく話されました。
 特にアスベスト含有建築物であっても不十分な設計図書や目視調査により、含有されていないことになっている現状があり、解体工事現場での専門家の眼が必要であり、アスベスト除去作業後の完了検査制度がないことも問題であると指摘。
 被害の重さの理解を広め、住民と建設労働者が結びつき、国交省石綿含有調査者の資格を取り、専門家として自治体に積極的に関わることが必要であると強調されました。
 また、伊藤氏は泉南アスベスト訴訟を勝たせる会の事務局長として活動してきた経験から、「産業発展やもうけの拡大よりも人の命の方が重大であり、その方向に産業も発展するのが正常だ」と述べ、「運動と裁判と政治を変える。この三つの結びつきこそが社会を変える力」と語り、アスベスト問題解決へ向けた日々の実践から運動の広がりをつくりだす展望を持ってがんばろうと呼びかけました。

 次に地元からの報告として、新日鉄住金アスベスト問題を考える会八幡の野澤代表より、アスベスト労災認定や健康管理手帳取得の取り組みについて話され、労災認定されても責任を認めない企業の態度を変えることの困難さがある中でも、気概を持って救済活動を通じて労働行政を動かしていくことの重要性が語られました。
 最後に九州建設アスベスト訴訟弁護団・第一法律事務所の池上弁護士より、建設アスベスト訴訟の到達について報告され、国の責任の確定を広げ、一人親方に対する責任、企業責任を必ず認めさせ、石綿被害者補償基金制度の創設による救済と、解体・改修工事、災害によるアスベスト飛散を防止するための対策要求を進めることで解決となると結びました。

 また、報告後の質疑応答では、九州建設アスベスト訴訟遺族原告の柴田清子さんが発言し、「今年主人が亡くなってから7回忌を終わらせました。生きていたら68歳です。58歳で中皮腫になって、亡くなって4ヶ月くらいしてから労災がもらえましたが、本人は労災のこともわからず逝ってしまいました。7回忌の時に兄弟がみんな長崎から出てきて、主人のビデオを見たり、福建労から頂いたビデオを見ながら、泣きながら過ごしていました。たまに近所の人にアスベスト裁判のことを話すと、『まだ保証金がほしいの?九州は災害も多いのにこれ以上国から金が出るわけがない』などと言われます。理解のない人たちもいますが、私たちはお金のためにやっているのではない。残された職人を守るためにやっています。9月29日に大阪への被告企業要請行動に行ってきます。どれだけできるかはわかりませんが、がんばってきます」と述べ、参加の皆さんは激励の拍手で応えていました。

 その他にも、会場よりTOTOでのじん肺被害と労災認定があっていたがほとんど知られていない現状があるとの発言や、学校ウォッチングで発見したアスベスト建材が校舎や体育館に残ったままになっている問題について発言がありました。
(福建労北九州支部・平安将隆記)

柴田遺族原告の感想

 アスベスト裁判に携わり約6年経とうとしています。世間では、アスベストを少しは理解して頂いていますが、まだまだ厳しい状況です。年々被害者が増えているのに、企業訪問・企業交渉では門前払いか、対応してくれるのはアスベストを知らない若い社員か弁護士ばかりです。
 当時、建材を製造した人や担当者はほとんど定年退職していますので、いくら被害を訴えてもただ聞くだけで、その度に私は感情をぶつけて被害のことを話し、話した後には情けなくなってしまします。
 被害者や作業現場、解体現場を見たことがあるのかと聞いても、どの人も見たことがなく返事に困っている様子です。アスベストの被害に正面から向き合うことがなければ解決はできません。
 今回は首都圏・関西・九州の皆さんが参加しましたが、みんな思いは一つです。高裁判決が良い結果であり、解決することに期待したいです。
(柴田清子記)

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