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働くものの命と健康の問題を考えます。北九州労働者の健康問題連絡会議

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労健連ニュース原稿news script

ブラック部活 全教北九州 副執行委員長 永吉孝一

 全教北九州は、教職員の組合です。ところで、私たち教員には、「本来時間外勤務を命じることができない!」って知っていました?知らない方も多いと思います。当の教員でも知らない方も多いのだから無理もありません。その根拠となるのが、給特法《「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」の略》です。公立学校の教員は、原則として公務のために臨時の必要がある場合に時間外勤務を命じることはできないが、限定された場合に時間外勤務を命じることができる。(給特法第5条による読替後の労基法第33条第3項)とあります。その限定4項目と言われるのが、いわゆる「超勤4項目」(1生徒の実習、2学校行事、3職員会議、4非常災害、児童生徒の指導に関し緊急の措置を必要とする場合等)。となっているのです。

 しかし、一方でこの法律に4%を教職調整額として支給する。とあり、「この調整手当が出ているから、教員はいくらでも超勤をさせられる。だから、超勤手当は出ないんだ。」と拡大解釈して超勤を強いる管理職や教育委員会があるのも事実です。
 しかもこの超勤問題は、つい最近まで文科省が認めませんでした。勤務の実態や疲労からメンタルをやられ病休に追い込まれる方々がたくさんいるにもかかわらずです。やっと我々の運動と世論の後押しで勤務実態調査を行いました。その結果、小学校で平均1週間当たり約20時間、中学校では平均約26時間の超勤が報告されています。
このような状況の中、今注目され始めたのがいわゆるブラック部活問題です。
部活未亡人、部活孤児という言葉を聞いたことがありますか?反対に家庭に居場所がない。いつもいない状況。として扱われ、精神疾患。過労自死さえ起こっている状況も報告されています。

 公立中学校30代の先生がソフト部顧問になりました。指導経験が無くてもしないといけない。ほとんどすべての教員が部活顧問をしている。「私はやりません。」は絶対にありません。土日も返上で部活指導に当たる。大きな負担を感じながらもやりつづける。部活保護者会では、「試合に出る選手の決め方がおかしい」「もっと上達して県大会に出場するような部活にして下さい」という要望が出される。そこまで言われなくてはいけないのか。

文科省の示す指針では、中学校の運動部は、週休2日以上と、一応文書がでました。でも実際は部活の休みはありません。ある先生が、78日連続勤務を自慢したら、他の女子バレー部の顧問の先生は、私は140日だよ。4月当初から休んだことが無いと。言い返される始末。この話が笑い話では済まされない実態です。
前述の先生が3年目に顧問を外れました。すると「土日が休める。授業研究やクラスに目が届くようになり、不登校気味の生徒への働きかけも出来、保護者からも評価された」。と話されました。しかし、異動先の中学校でも顧問を断ると校長から「教職員は調整手当をもらっているんだから、超勤するのは当たりまえだ。なぜ君はしないのか。理解に苦しむ。それなら教員は辞めてくれ」と言われたそうです。こういう例はあちこちであるのです。

次も部活を担当している講師の先生の実態です。
朝6時に起きて6時半から勤務。7時過ぎには校門であいさつ指導、あるいは朝練。8時半から授業が始まる。昼は給食指導、生徒指導。5~6時間目の授業・指導、そして部活。表向きには午後7時までとしていますが、午後8時近くまでやっているのがほとんど。その後保護者対応などして、授業の準備にあてられるのは午後8時〜。午後10時ごろまで勤務して、終わらないときは持ち帰り仕事。
1日の超過勤務は、約7時間。1週間で35時間。土日の方がもっと過酷。練習試合の場合は8時〜15時。週当たり49時間残業。本来38時間45分勤務。勤務時間よりも残業の方が長いのが実態。このような過労死ラインを超える働き方が部活担当者の間では、当たり前になっています。

今、政府さえ「働き方改革」とやっと言い始めました。
一方ネットにも『ブラック部活対策問題検討委員会』というサイトも立ち上がり、いろいろな書き込みがされ、実態が各地で明らかにされています。
ここ北九州でも、精神的な疲労に追い込まれて、4月に採用された市内の小学校1年生の担任の先生が、病休に入った後、7月を待たずに辞職されました。2年前に中学校で同様に部活や業務の多忙化から、精神疾患を発症させて病休になり、最終的には休職から退職に追い込まれた先生がいます。先生の保護者が学校を訴えると係争の準備をされているという話も聞きます。

我々全教北九州は、問題を一つずつ拾い上げて、先生方に実態を聞きながら改善の要望を学校ごとにしたり、あるいは委員会に要求書を出して改善を求める取り組みをしたりしています。「業務改善プログラム」を3月に北九州市教育委員会が出しました。ざっくり言うと、研修を半分にする。部活の問題については、外部コーチにかかわる費用を倍増させる。月に1回第3水曜日は、ノー部活デーにします。来年度までに、土日必ず1日は休むという事などがその中に盛り込まれています。これらも組合で粘り強く毎年毎年要求する中で取り入れさせた成果だと考えます。実際はそれさえも守らない学校は多々あります。

 このような軽減策が絵に描いた餅にならないように取り組みが必要です。今こそ組合の出番と「教職員の命と健康を守る活動」を続けて行きたいと思います。

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